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カーラチャクラ灌頂を終えて 〜 チベット復権のカギは教育にあり〜

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(2005年1月17日)

(ダラムサラ)1月15日、カーラチャクラ灌頂の最終日。灌頂を終えたダライ・ラマ法王は、チベットから訪れていたチベット人に向けて演説を行なった。チベットからアマラヴァティーへの道中で幾多の困難に対峙しながらも、灌頂を授かるためにこうして来てくれたことに感謝する、と法王は謝意を述べた。

そして、世界中に離散しているチベット難民が祖国に帰還して祖国の一員として暮らせる日が一日も早く来ることを願っている、と語った。

「中国に併合されていることが問題なのではありません。世界は著しく変化しています」とダライ・ラマ法王は述べ、チベットと中国が力を合わせて互いの益を共有できる日が来るように、と祈願した。

何千ものチベット在住チベット人が、涙を流しながらこの演説に耳を傾けた。

ダライ・ラマ法王は、仏教を学び、深く理解することが大切であると強調してから、現代教育の必要性を語った。「われわれは非暴力の闘いをしているのですからナイフも銃も必要ありません。われわれに必要なのは現代教育なのです。教育こそが、チベットにいるチベット人に復権をもたらす力になるのです」

チベットの独立をめざしているのではないとしたうえで、チベット問題については、中道政策に基づいて、中華人民共和国という枠組みのなかで解決の道を探りたい、と述べた。

ダライ・ラマ法王は、約9千人のチベット在住チベット人に帰路の安全を祈願し、「いつか現状よりも恵まれた状況になったチベットで、また会いましょう」と挨拶した。

前日の朝、一般参加者、中央チベット政権の前大臣(カロン)ら、セラ寺の前僧長から、法王のための長寿灌頂の申し出を受けたダライ・ラマ法王は、 「できるかぎり長生きしたいと私も思っています。そのためには、みなさんの祈願が必要です」と応じた。

長寿灌頂の閉幕時には、アンドラプラデシュ州政府が、ダライ・ラマ法王を主賓に迎えて式典を催し、財務大臣、政府観光局、国会議員、下院議員をはじめとする地元高官が列席した。観光大臣が、アマラヴァティーでカーラチャクラ灌頂を開催できたことへの謝意をダライ・ラマ法王に述べると、ダライ・ラマ法王は、カーラチャクラ灌頂を滞りなく遂げるために便宜をはかった州政府に謝意を表した。つづいて開かれた別の式典で、ダライ・ラマ法王は、300万ルピーを釈迦像造立費用として寄進した。

式典に先駆けて行なわれた記者会見で、ダライ・ラマ法王は、最高最善のカーラチャクラ灌頂が成されたことをうれしく思うと述べ、インドの州政府、ノルブリンカ研究所、日本の支援団体の尽力に感謝の意を表した。

ダライ・ラマ法王は本日 、ニュー・デリーに向けてアマラヴァティーを発ち、1月18日にダラムサラに帰着の予定。

今回のカーラチャクラ灌頂は30回目にあたり、インドでは18回目となった。ダライ・ラマ法王による1回目のカーラチャクラ灌頂は、1954年、チベットの首都ラサにあるノルブリンカで伝授された。今回のカーラチャクラ灌頂は、英語、中国語、日本語、テルグ語で同時通訳された。運営筋によれば、およそ9万人が今回の灌頂を授かったという。